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「眠たい」講義卒業? 鈴鹿医療科学大、双方向の試み

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講義をする豊田長康学長。学生が眠たくならないように工夫している=三重県鈴鹿市の鈴鹿医療科学大学

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手元の端末から情報を送る学生たち。答えたかどうかすぐに分かる=三重県鈴鹿市の鈴鹿医療科学大学

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講義で使う手のひらサイズの端末。ボタンを押して答えを送信できる

 【高木文子】入学式の式辞、覚えていますか―? 鈴鹿医療科学大学(三重県)の豊田長康学長(62)が式の3日後、オリエンテーションで新入生40人以 上に聞くと、内容を覚えていたのは1人だけだった。豊田さんは、教員が一方的に話すのではなく、「眠たくならない」講義にしようと、学生との双方向のやり とりを重ねている。

 「6割の人が不正解でした。連休もあったので復習が大切ですね」

 5月中旬、理学療法学科2年生の救急医学の講義。前回の復習問題が出ると、学生48人が手元の端末のボタンで解答を送信する。

 豊田さんが講義で使っているのは、数字や「○」「×」などが送信できる手のひらサイズほどの端末。学生たちがボタンを押すと、正面のスクリーンに解答状況がすぐに映し出された。だれが答えていないのか分かるので、居眠りするとばれてしまう。

 豊田さんは三重大学の医学部教授や学長を経て、2009年から鈴鹿医療科学大の教壇に立つ。長年、講義をしていても「教科書通りにしゃべっていると、必 ず多くの学生さんが眠ってしまいますね」と苦笑する。入学式の式辞も同じで、一方的に話すだけだと記憶に残りにくいという。

 そこで、講義では関連する国家試験の問題などから小テストを5題ほど出す。学生が手元の端末から答え、すぐに正答率が分かる。また、スクリーン上では解 答者は匿名になっているが、誰が何を答えたか教員には分かる。正答率が低い学生には補習をするなどの対策にもつなげられる。

 自分が続けてきた講義に対する学生の評価も、三重大時代から20年以上、毎回アンケートをして調べてきた。講義の後に「分かりやすさ」「眠たさ」「熱意」「総合点」の4項目について、5段階で評価してもらう。

 学生は分かりにくいと感じたところを指摘する。講義を取材した記者のカメラのフラッシュへの苦情も、講義後すぐに2件寄せられた。「分からない」と指摘 されると次の講義で説明のやり方を変える。4年前には5点満点で3・6点だった豊田さんの講義への満足度は、今年4月に初めて4・5点を超えた。

 「授業料を安くして」「夜遅くまで勉強できる場所がほしい」など、大学への要望も聞いているが、すべてをかなえられるわけではない。だが、どんな要望があったか、いつも次の講義で紹介している。

 「要望をほったらかしにすると、信頼感が下がる。どんな理由で対応できないかを、きちんと説明する必要があります」と豊田さんは話している。

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